平成17年9月20日
厚生労働大臣
尾辻 秀久 殿
拝啓
平素は厚生労働行政にご尽力いただき、厚く御礼申し上げます。
さて、今月6日付日本経済新聞による報道によりますと、肝がんの治療法として普及している「ラジオ波焼灼療法」で約8割のシェアを持つ医療機器「クールチップRFシステム」が、今月1日付で、貴省から公的医療保険の適用を取り消されました。
この療法は、手術に比べて患者の体への負担が小さく、治療成績も引けをとらないことから、国内では1999年の導入以来、実施する病院が急速に増え、現在、国内で年間1万件以上行われているといいます。
しかし、保険適用が取り消された結果、医療機関側では、他のメーカーの製品がない場合には、混合診療となるため患者に全額自己負担(これまでの治療費の約3倍)で受けてもらうとか、「治療成績の劣る別の治療法を使う」(首都圏の民間病院)など、肝がん患者が不利益を被る可能性が出始めているといいます。
そもそも今回の保険適用取り消しの原因の一つには、貴省の医薬食品局と保険局との間での連携の悪さがあったことは、両局共に認めている所でもあります。
こうした医療現場における混乱や肝がん患者への悪影響を最小限に留めるために、当会は貴省に対して、ラジオ波焼灼療法医療機器「クールチップRFシステム」を優先審査扱いとし、拙速ではなく厳格な審査を一刻も早く進め、再承認する様お願い申し上げます。
敬具
癌と共に生きる会 会長代行 加藤 久美子
日本がん患者団体協議会 理事長 山崎 文昭
ねむの会 代表 金井 弘子
VOL-Net 代表 伊藤 朋子