要望書・請願書・質問書

厚生労働省から届いた平成13年5月2日付け質問状に対する回答()

平成13年5月2日付け質問状に対する回答

厚生労働省医薬局審査管理課
○先般いただいた、「抗癌剤および副作用防止策に関する緊急措置請求書」(平成13年2月27日付け)に対する回答(以下、「前回回答」という。)の中で既に述べさせていただいたように、薬事法に基づく新医薬品の承認にあたっては、臨床試験の試験成績に関する資料等を基に、有効性、安全性等を審査して、当該医薬品が有効であり、かつ安全性等に問題がないことを確認しております。
○我が国の医薬品審査制度も他の欧米先進諸国と同様に、申請に基づく審査制度をとっており、また、企業が新医薬品の開発の主体となっている状況は各国共通です。これは我が国独自の制度ではないことは言うまでもなく、他の欧米先進諸国においても、国が自らが製薬企業に代わってデータ収集等を行うことはありません。
○このような基本的考え方を前提として、厚生労働省では、以下のような方策を講じ、承認までの期間の短縮を図ってきているところであり、今後とも、医療上必要性の高い有用な新医薬品が早期に導入されるよう引き続き努めてゆきたいと考えております。
①抗癌剤を含めた、新規に開発が必要な医薬品について、開発の手法等に関する事前相談に応じるとともに、承認審査の迅速化や外国臨床データの活用等を進め、申請がなされればできり限り速やかに対応する。
②希少疾病用医薬品については、開発費用の一部を助成する等の開発促進のための施策を講ずる。
○また、前回回答においてお示ししたように、外国において広くその適応症が認められ、内外における評価が確立している場合には、新たに臨床試験を求めずに承認審査を行う仕組みを導入しておりますが、外国人と日本人の間には、薬効や副作用の発現に民族差のある場合もあり、医薬品の承認審査にあたっては、個々の医薬品について、海外で実施されたものも含めて臨床試験成績等を確認することが必要です。これは、欧米にあっても同様であり、ご質問のように、欧米諸国で承認された薬剤をデータなしで一括承認することについては、困難と考えております。
○新しい抗癌剤の承認審査に係わる審議会は、「薬事・食品衛生審議会」であり、その下にある、「薬事分科会」及び「医薬品第ニ部会」が実際の調査審議を担当しております。審議会における調査審議を経て平成11年以降に承認された抗癌剤は、前回回答においてお示しした通りですが、その後、今般5月31日及び6月20日に承認された悪性腫瘍治療に係る品目を別添1に示します。また、審議結果の発表は分科会または部会開催後に行われており、議事録についても公開しております。なお、分科会及び部会の委員名簿を別添2に示します。
○なお、自由診療については、適切な統計がないことから、その傾向について正確な状況は把握していませんが、医薬品等の個人輸入については、インターネットの普及による情報量の増加により徐々に増加傾向にあります。
○最後に、厚生労働省全体としては、がん克服へ向け、がんの本態解明及びその臨床応用を図ることを目的とする「がん克服戦略研究」によりがん関連研究を促進しているほか、「ガン研究助成金」を通じてがん研究を支援しております。

平成13年5月以降に承認された抗悪性腫瘍薬

平成13年5月31日承認

一般名  パクリタキセル
販売名  タキソール注
会社名  ブリストル製薬株式会社
効能効果 卵巣がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がん (下線は今回追加効能)

平成13年6月20日承認

一般名  リツキシマブ(遺伝子組換え)
販売名  リツキサン注
会社名  全薬工業株式会社
効能効果 CD20陽性の下記疾患
低悪性度又はろ胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫

薬事分科会

氏 名       ふりがな         現 職

1 赤松 功也   あかまつ のりや    みつわ台総合病院顧問
2 板倉 ゆか子  いたくら ゆかこ    国民生活センター商品テスト部調査役
3 糸氏 英吉   いとうじ えいきち   (社)日本医師会副会長
4 井村 伸正   いむら のぶまさ    学校法人北里学園常任理事
5 岩田 誠    いわた まこと     東京女子医科大学病院脳神経センター所長(神経内科)
6 上田 慶ニ   うえだ けいじ     東京都多摩老人医療センター名誉病院長
7 内山 充    うちやま みつる    (財)日本薬剤師研修センター理事長
8 岡本 彰    おかもと あきら    (社)日本薬剤師会副会長
9 鎌田 薫    かまた かおる     早稲田大学法学部教授
10 河村 信夫   かわむら のぶお    東海大学医学部教授(泌尿器科学)
11 木下 眞男   きのした まさお    東邦大学医学部名誉教授
12 黒川 清    くろかわ きよし    東海大学医学部長
13 桜井 靖久   さくらい やすひさ   東京女子医科大学ME関係ラボ顧問・名誉教授
14 首藤 紘一   しゅどう こういち   国立医薬品食品衛生研究所長
15 杉村 民子   すぎむら たみこ    暮らしの手帖社主幹
16 長尾 拓    ながお たく      東京大学大学院薬学系研究科教授(薬効安全性学教室)
17 南部 鶴彦   なんぶ つるひこ    学習院大学経済学部教授
18 広津 千尋   ひろつ ちひろ     明星大学理工学部数学教室教授
19 松本 和則   まつもと かずのり   国際医療福祉大学教授・マロニエ苑施設長
20 溝口 秀昭   みぞぐち ひであき   東京女子医科大学医学部長
21 溝口 昌子   みぞぐち まさこ    聖マリアンナ医科大学代表教授(皮膚科学)
22 望月 眞弓   もちづき まゆみ    北里大学薬学部臨床薬学研究センター教授
23 吉倉 廣    よしくら ひろし    国立感染症研究所長
24 吉田 仁夫   よしだ ひとお     日本大学生物資源科学部教授
25 吉永 祐介   よしなが ゆうすけ   弁護士
26 渡辺 俊介   わたなべ しゅんすけ  日本経済新聞社論説委員

医薬品第ニ部会

氏 名      ふりがな        現 職

1 池田  康夫  いけだ やすお     慶応義塾大学医学部教授(内科)・学部長補佐
2 板倉 ゆか子  いたくら ゆかこ    国民生活センター商品テスト部調査役
3 上原  至雅  うえはら よしまさ   国立感染症研究所生物活性物質部長
4 垣添  忠生  かきぞえ ただお    国立がんセンター中央病院長
5 神谷   斎  かみや ひとし     国立療養所三重病院長
6 川さき 敏祐  かわさき としすけ   京都大学大学院薬学研究科教授
7 河村  信夫  かわむら のぶお    東海大学医学部教授(泌尿器科学)
8 小池  克郎  こいけ かつろう    (財)癌研究会癌研究所遺伝子研究施設部長
9 後藤   元  ごとう はじめ     都立駒込病院内科部長
10 小室  勝利  こむろ かつとし    国立感染症研究所安全性研究部長
11 菅谷   忍  すがや とおる     日本医師会常任理事
12 早川  尭夫  はやかわ たかお    国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部長
13 藤上  雅子  ふきかみ まさこ    (社)日本薬剤師会常務理事
14 堀内  龍也  ほりうち りゅうや   群馬大学医学部臨床薬理学・附属病院薬剤部長・教授
15 三瀬  勝利  みせ かつとし     国立医薬品食品衛生研究所副所長
16 溝口  昌子  みぞぐち まさこ    聖マリアンナ医科大学主任教授(皮膚科学)
17 吉村   功  よしむら いさお    東京理科大学工学部経営工学科教授

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