日頃からがん医療の向上にご尽力をいただき、心から感謝申し上げます。
さて、がんは現在日本人の死亡原因の第一位にあげられ、年間30万人がこの病によって命を失っており、がんの予防や治療法の更なる向上が求められるところです。特に抗がん剤治療については、我が国は大幅に遅れており、地域格差も深刻であります。
昨年8月に島根県議会においては、地方でも地域格差なくがん治療が受けられる体制整備を図る旨の請願書が全会一致で採択され、その後、議会や県の強い働きかけにより、島根大学医学部が今春国立大学で初めて腫瘍科を設立することとなり、患者会として大変喜んでおります。このような地方の取り組みに加え、厚生労働省においても地域がん診療拠点病院事業の更なる推進や第三次対がん10カ年計画で盛り込まれたがんの専門医の育成などがん治療の地域格差是正に向けた更なる努力が望まれております。
また、今年に入り厚生労働省において「抗がん剤併用療法に関する検討会」が開始されました。検討会では、併用療法に用いられる抗がん剤であって、薬事法上効能が承認されていないものについて、エビデンスを収集し、効能の早期承認を図るとされております。患者会としては、こうした動きを高く評価し、大臣に感謝申し上げる次第です。しかしながら、年間10から15効能程度の承認では、国際レベルとの差がますます広がりかねません。抗がん剤の早期承認はもとより、併用療法に用いられる抗がん剤の効能の更なる早期の承認が期待されるところです。
以上申し上げたことから次について要望いたしますので、よろしくお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
1 地域格差を是正するため、地域がん診療拠点病院事業の推進及び抗がん剤の専門家の育成
2 抗がん剤の早期承認及び併用療法に用いられる抗がん剤の効能に関する更なる早期承認
平成16年1月27日
癌と共に生きる会
会長 佐 藤 均
厚生労働大臣 坂 口 力 殿