要望書・請願書・質問書

当会から厚生労働省へ送付した質問状(2001/05/02)

前略 当職は、「癌と共に生きる会」(以下「生きる会」といいます)の代理人であります。貴省に対し、平成13年2月27日付で「抗癌薬および副作用防止薬に関する緊急措置請求書」を提出しましたところ、同年3月16日付で回答を戴きました。
また、同年4月4日付で新たに承認された抗癌剤について、ご連絡を戴きました。
貴省のそれなりの対応に感謝致します。
さて、貴省からの回答書に対し、「生きる会」は、検討会を持って検討致しました。
「生きる会」のメンバーの回答書に対する率直な感想は、「いかにも公文書的で人間的な臭いを感じさせない冷たい文書であるが、評価すべき点もある」というものでした。
貴省におかれましては、今後はいままで以上に国民に対し、暖かみのある対応を期待致したいと存じます。
ところで、このたびの回答につき、「生きる会」は、別紙質問状に記載の不明の点についての貴省の回答を求めたいと思っています。
この問題は、私達一人一人の生命に直接かかわる重大な問題であり、マスコミ等にも報道され、多勢の国民が注視する問題となっております。
このたびの質問状およびこれに対する貴省の回答につきましても、またマスコミ等に報告させていただく所存であります。
何卒、「生きる会」のメンバーや国民の期待に沿う回答をいただけますようよろしくお願い申し上げます。

厚生労働省医薬局審査管理課 御中
平成13年5月2日
「癌と共に生きる会」代理人
弁護士 福島啓氏

質問状

厚生労働省医薬局審査管理課 御中
2001年5月2日
「癌と共に生きる会」

1.貴省の回答書により、現在の日本の癌治療が、抗癌剤の分野で欧米諸国と比較すると遅れており、欧米諸国で既に承認されている抗癌剤が日本では未申請であったり、申請された効能が一部であったため、承認内容が一部に限られているものがあるとの認識を有しておられることが分かりました。にもかかわらず、
(1)従前のやり方を部分的に改善するのみで何ら抜本的対策を講じないのは何故か。
(2)現在のやり方を守る限り、その主導権は製薬会社に握られ、製薬会社の意向次第ということにならないか。
特に希少固形癌等の薬剤のように、営利性の薄いものについては、製薬会社は申請をしないのではないか。
(3)これでは、癌患者は、適切な治療を受けられず、死亡するしかないのではないか。

2.患者にとって必要な薬剤については、製薬会社を指導するだけでなく国が自らそのデータを収集し、承認をすべきではないか。
その場合の国や外国の製薬会社や医師の責任のあり方も含めて、そのようなシステムを至急構築する必要があるのではないか。

3.欧米諸国で承認された薬剤について、これを一括承認をする予定はないのか。あるとしたらいつか。ないとしたらなぜか。

4.平成13年度および平成14年度における抗癌剤に関する審議委員会名は正式には何という委員会名か。委員は誰か。申請は全部で何件あったか。審議結果の発表はいつ行われるのか。審議会の議事録は公開されているか。

5.アメリカでは「抗癌剤等、生命に緊急性がある薬剤に関しては、半年で結論を出す」とされていると聞くが、12ヶ月では長すぎないか。
何故6ヶ月にできないのか。

6.患者がアメリカ等から抗癌剤を直接輸入して使用する等した場合現在は自由診療方式で治療しているが、このような自由診療は増加していないか。もし増加しているならば、その原因をどのように認識しているのか。

以上

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