記者会見
2002年4月24日
厚生労働記者会会見室
癌と共にいきる会の新山です。いつもどうもお世話になってます。このたびは国会議員の先生のお世話によりまして、坂口厚生労働大臣とお会いして、直接お願いする機会をもっていただきまして大変ありがたいことだと思っております。
私達4団体はそれぞれの成り立ちなり考え方なりが、いろいろ違うものばかりが、そこにかいたように集まって結成しました。私個人、普通の患者体をまず作ろうと思ってつくっておったわけですけど、患者体を作っていく過程のなかで、やはり薬を自由に使わせてもらえるというようにする為には、私達と同じような考え方を持ったいろいろな患者団体に呼びかけて一緒に行動する必要があるなあと思っておりました。それを一つの悲願としておったわけですけれど、案外スムースにその会ができまして、ここに日本患者団体協議会というものを作らせてもらいます。
その経緯はここに書いてあるとうりです。その後、仙谷議員をはじめ、国会議員の先生方がたくさん関心をもっていただき、努力援助をしていただくようになりました。それから評論家のかただとかですね、マスコミ関係のかたも協力してやろうという声があがっております。
それからTVなどメデイアで放映された関係で、案外日本全国に私達と同じような考え方をもったかたがおられて、ぜひJCPCに入りたいというような声があがってることを大変喜んでおります。
私にしても三浦先生にしても、あと何ヶ月というように思っておりまして、それまで今後ともマスコミの報道一つご協力いただきまして、国民、世論にですね、訴えていただければ幸いだと思っております。よろしくお願いします。
今日はお集まりいただいて有難うございます。私達は3つの要望を本日、坂口厚生労働大臣へ手渡してきました。
一つ目、お手元に資料があるかと思うのですが、まずEBMに基づく癌治療を可能にするための要望書。これは、癌治療は世界的に科学的根拠に基づいておこなわれております。しかし、日本では世界的な科学的根拠に基づく治療薬が使われていないというケースがかなり多くあります。
私達の調べたところによりますと、世界的治療薬で日本で使われていないケース、薬、未承認または適用外というものが89もありました。そういうことを考えまして、適正なガイドラインを作っていただきたい。また保健適用外新薬の早期承認をお願いしたい。そういうガイドラインを作る検討委員会をたちあげていただきたい。それが一つ目の要望でございます。
2番目、ちけんの情報公開及び治験医薬の治験外使用制度設立の要望書。これは現在治療する方法がないかた、またそういうかたに関しまして世界では世界的に治療薬がある、また日本で現在治験をしている有望な薬があった場合、それは日本で治験をして承認されるまでに5年や10年かかってしまいます。
その間、治療をうけれない患者さんは、生きる権利を奪われてしまいます。そこで憲法に保障されております、患者の基本的人権の尊重。どういうことかと申しますと、患者さんは自分の命は自分で守る、その自己決定権を優先していただきまして、治験外でも有望と思われるものは別枠で使っていただける制度の創設をお願いしたい、そういう問題です。
この制度に関しては、現実にはアメリカでは実際におこなわれていまして、87年にFDAのほうで承認されております。
3つ目なんですが、海外承認治療薬の国内審査、期間の短縮に関する要望書。これはICH、日米EU医薬品規制整合化国際会議というものがあるんですけれども、どういうものかといいますと、日本とヨーロッパ、それと米国で同じデータを共有しまして、よいものは一日も早くお互いに使おうじゃないかという会議なんですけれども、一応日本はこれに承認をしております。
しかし、現実的にはアメリカ並びにヨーロッパで承認された薬でも日本人と欧米人は違う、そういう理由で日本ではもう一度、治験をし直しまして、5年や10年薬が使える期間が延びてしまうと。そういう問題がございます。実際EUと米国では大体一年遅れくらいで、薬が承認されているケースが多いんです。このICHというシステムを使いまして。
そこで日本国民にも同じシステムが入ってるのですから、同じように新薬の利益を同じような時期に得たいと。そのために出来るだけ早く、厚生労働省のほうでこのシステムを機能するように制度を整備してくださいと、そういうお願いです。以上です。
私は一月の17日に胃がんの・・・手術を受けております。それから・・・先生も偶然といえば偶然ですが、一月の17日に記者会見で大腸癌を発表されたということを入院中私も聞きまして、それで・・・先生もごく最近癌のキャリアになられたということがありまして、その他にも国会議員の中にも数多くいるわけでありますが、今まではなぜかといえば、いろいろな理由があったと思うんですが、あまり公表して、患者サイドにたって癌と戦うと、患者の立場から日本の癌治療の改善を促していく、或いは提案をしていくということは、ほとんどなかったんではないだろうかなという気がしております。
そんななかで、このかんですね報道等をご覧になってもお分かりになるように、癌は国民病だという風にいわれておりまして、一年間に約30万人、癌が原因としてなくなってらっしゃると。
りかんをした患者さんは、この倍、もしくはもっといらっしゃるんじゃないかと、いう風に考えておるわけなんですが、この治療が果たして現在の世界水準からみて納得できる治療が、今、日本という国の胃がんの患者に行なわれてるかというのが甚だ疑問だなというのが病床のベッドで寝ておりまして感じたところでございまして、特に外科治療の分野では日本の場合は相当進んでおられるなあという感想ももったわけですが、その後必要な内科的な治療についてはですね、全国の大学のうち腫瘍内科という講座をもってるとこが一切ないとかですね、癌専門病院といわれているところでも、癌内科という診療科目をもってるところもない、あるところが非常に少ないという風なこととかですね、これは昨日、私にとっては始めてわかった話ですがPET、ペットといわれるがぞうの診断技術というのが、日本で開発されたにも関わらずアメリカではとり入れられて10年も経つのに、日本では保健適用がないために、ほとんどこれが使われてないとかですね、まあいろんな矛盾と問題点が癌治療に関してだけでも存在するということがわかったわけであります。
そんなことを現時点での国民の癌に対する関心、或いは自らの健康に対して不安という風なものを解消する医療の政策がですね、これから大胆に転換をしてとられないと日本人の不安というのは、なくならないだろうという風に思います。実はこういうことをいってる間にもつい1週間くらい前にですね、私の最も信頼する経済産業省の優秀なキャリア官僚のかたが、肺がんで一年3ヶ月の闘病の後に、亡くなられたということを聞きまして、お悔やみにもいったわけですが、癌克服十ヶ年戦略の2回目の8年目にはいっているというのにしては構成労働白書の中に1行も癌対策が出てこないという風な事態がなんなのかと考えざるをえないわけでして、これは本格的な取り組みを厚生省に求めていかなければならない。
そのためには、これを障害してきたいろんな問題が、学会から或いは医薬業界から、そして病院の仕組みから、健康保健の問題からあるなあという風に今は直感の・・・も多いわけですが、一つ一つ解明してですね、そして議員の中にもキャリアのかたは多い、相当多い、これは推測ではないし、それから友達やご両親やご家族までが、癌という病気で大変悩んでらっしゃる方々も多いと思いますし、そういう国民病であるということ、国民病を克服する方策をいち早くうちたてる。
そのために、JCPCの皆さんがたの一員としてですね、これから取り組んでいきたいという風に考えているところでございまして、個人加盟もお許しいただけるようでございますので、一人の会員としてもそしてバッジをつけさせていただきました議員の立場としてもですね、これから出来うる限りの方策で厚生省、あるいは議員の中、政治のプロセスの中にこの問題を取り組んでいきたい、そんな風に思っておりますので、今後とも皆さん方のご協力やご指導を頂戴いたしたいとお願いを申し上げます。どうも有難うございました。