平成14年4月24日
厚生労働大臣
坂口 力 殿
日本がん患者団体協議会(JCPC)
明日の医療を考える会 理事長 山崎文昭
癌治療薬早期認可を求める会 会長 三浦捷一
癌と共に生きる会 会長 新山義昭
がんナビゲーション市民ネットワーク 代表 服部順治
米国とEUで承認されている治療薬は、日本も含めたICH(日米EU医薬品規制整合化国際会議)により、『データの国際的な相互受入れを実現し、有効性や安全性の確保に妥協すること無く、臨床試験や動物実験等の不必要な繰り返しを防ぎ、承認審査を迅速化するとともに、優れた新医薬品をより早く患者の手元に届けること。』となっています。
既に米・EU間では、相手国のデータにより申請・承認されるケースが多くなっています。
けれども貴省においては、欧米人と日本人の違いを指摘し、安全性を考えて治験を義務付けるケースが多く見受けられます。
確かに、移植などでは民族間の違いがあると聞いております。もちろん安全性を最重視しなければなりません。
しかし、当協議会で行ったヒヤリングによりますと、民族間よりも、個体差の方が多いというご意見もございました。科学的なデータによる、欧米人と日本人の違いを示す根拠も提示されていません。
また、貴省の対応でも、シスプラチンやカルボプラチン、ダカルバジンの適応拡大は海外データのみで審査・承認しておりますが、例えば世界で初めてのモノクローナル抗体がん治療薬リツキサンのように、1997年11月に米国で最初に承認されたにもかかわらず、日本での承認はオーファンドラッグ適応ですが、 2001年6月まで患者さんは待たされました。
特に重篤またはただちに生命に危険な病気で、ほかに匹敵する代替治療法がないの患者の場合は、承認されるまで待てない事も多いと思います。
欧米諸国に比べて、国内の患者は著しく不利な扱いを受けているのではないでしょうか。
従いまして、当協議会は、以下の要請をさせて頂きます。
要請事項
1. 人種的要因による外国臨床試験データを受け入れ明確化のお願い
現在、製薬によって違う外国臨床試験データを受け入れる際の基準を、明確にして頂きたく存じます。
2. ICH-E5(外国臨床データ受け入れにおける人種的要因)早期合意のお願い
次回のICH総会は今年の9月ですが、早期合意を目指すようにして頂きたく存じます。
以上、ご検討下さる様よろしくお願い申し上げます。